そのヒゲ、捨てないでください
はじめてヤングコーンを丸ごと手に入れたとき、ぬかオジは迷わずヒゲを捨てました。
あれから何年か経って、いまは逆のことを言っています。ヒゲこそ、ヤングコーンでいちばん甘いところです。ぬか床に入れると、そのやわらかい繊維に乳酸菌のうまみがしっかり入り込んで、実の部分とはまた違うおいしさになります。
なんというか、絹のような口当たりなんです。
スーパーで皮つきのヤングコーンを見かけたら、ぜひ丸ごと買ってみてください。ヒゲまで食べられるのは、皮つきで手に入るこの時期だけの特権です。
旬のこと
国産のヤングコーンが皮つきで出回るのは、5月から7月ごろが中心です。とうもろこしを大きく育てるために間引いた、まだ若い実。だからこそ、ひと株からわずかしか採れません。
見かけたら、その日が買いどきです。
水煮のパックなら一年中手に入りますので、時期を逃してしまってもぬか漬けは楽しめます。その場合は「茹でる」工程を飛ばして、水気をていねいに拭き取ってから漬けてください。
選び方
- 皮がみずみずしく、しっとりしているもの
- ヒゲが茶色く枯れていないもの(白から薄い黄色が新鮮です)
- 持ったときに、しっかり重みを感じるもの
ヒゲの色は鮮度がそのまま出ます。ここを見るのがいちばん確実です。
つくりかた
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皮をむく(ヒゲは残す)
外側のかたい皮を、根元から一枚ずつむいていきます。ヒゲは切り落とさず、実についたまま残してください。
内側の薄い皮まで来たら、そこは実と一緒に食べられるやわらかさです。気になる方はむいてしまって構いませんが、ぬかオジは薄皮を一枚だけ残すことがあります。歯ざわりに変化が出ておもしろいです。 -
沸騰したお湯で茹でる
たっぷりの湯を沸かして、2〜3分。細いものなら2分で十分です。
茹ですぎると、あのシャキッとした歯ざわりが消えてしまいます。ヤングコーンは火の通りが早いので、「少し早いかな」くらいで上げてください。
塩は入れなくて大丈夫です。このあとぬか床に入れますから。 -
粗熱を取り、ぬか床に埋める
ここがいちばん大事な工程です。
ざるに上げて、しっかり冷ましてください。温かいままぬか床に入れると、床の温度が上がって菌のバランスが崩れます。 せっかく育てたぬか床を弱らせてしまうので、ここだけは急がずに。
冷めたら、水気をキッチンペーパーで押さえて、ぬか床に横たえるように埋めます。ヒゲの部分もていねいにぬかで覆ってあげてください。 -
冷蔵庫で半日
12時間を基準にしてください。
きゅうりのときと同じで、これはあくまで出発点です。半日で一度取り出して食べてみて、「もう少し」と思ったら次は15時間、「少し酸っぱい」と思ったら次は8時間。そうやって、ご自分の好きな時間を探していきます。
※ ヤングコーンは、茹でてある分だけ生の野菜より傷みが早いです。一日以上入れっぱなしにするのは避けてください。
食べ方
縦半分に切ると、断面の層がきれいに見えます。お皿に並べたときの姿がいいので、来客のときにもよく出します。
そのままでも十分ですが、ぬかオジのおすすめは何もつけないこと。ぬか床の塩気と、ヤングコーンの甘みだけで完成しています。
ヒゲの部分は、ぜひ実と一緒に口へ運んでみてください。ここが今日のごちそうです。
よくある質問
Q. 生のまま漬けてもいいですか
漬かります。シャキシャキ感はより強く残ります。ただ、しっかり火を通した方が甘みが出やすく、ぬか床にもなじみやすいので、ぬかオジは茹でる方を選んでいます。両方試して、お好きな方をどうぞ。
Q. 水煮のヤングコーンでもできますか
できます。パックの水気をしっかり切って、キッチンペーパーで押さえてから漬けてください。水分が残っているとぬか床がゆるくなります。漬け時間は生のものより短めの、8時間ほどから試してみてください。
Q. ぬか床が水っぽくなりました
ヤングコーンは水分の多い野菜です。漬けたあとにゆるくなったと感じたら、足しぬかで整えてあげてください。乾いたぬかを大さじ2〜3ほど加えて、よく混ぜます。
ぬかオジのひとこと
ヤングコーンを漬けていると、毎年おなじことを思います。
捨てようとしていたものが、いちばんのごちそうだった。ぬか漬けをやっていると、こういうことに何度も出会います。大根の葉も、かぶの茎も、みんなそうです。
冷蔵庫に、そういうものが眠っていませんか。